今回は会社事務所の出入り口の扉の改修です。
下の画像が改修前の扉となります。
既設は両開きのフロアヒンジドアである。
1.現状調査と打合せ
現状調査をさせていただいた所、作動状況も悪くなく老朽化も見られない状況から、この扉を交換する目的は何かと思い打合せを進めていると、「障碍者の方を何人か雇用するように行政の方から指導を受け、車いす利用の従業員さんがこの扉を通れるようにしたい」という意図でした。
クライアント様からのご要望
①既設は両開きのフロアヒンジドアであるが 両引き分けのスライド式ハンガードアに変更したい。
②片手でより幅広く解放するために左右扉を連動させたい。
とのご要望でした。
2.方針の決定
左右連動のスライドハンガーというのは自動ドアでは当たり前の機構ですが、手動では当社は施工事例がありませんでした。
そこで、手動の左右連動のスライドハンガー の調査をした結果、「ハシダ技研」というメーカーから、当該条件を満たす製品が出ていました。
190601ハシダ技研取説個人的には馴染のないメーカーですが、旧「ニッカナ」の設備を買い取り運営している会社でした。
通常、片引きハンガー戸のクローザーはワイヤーを巻き取るか、レールに勾配をつけて自重で閉じる。
という方式が主流かと思いますが、このメーカーはドアクローザーの回転軸にギアを取り付けて、チェーンを駆動しています。
ハンガー装置が決定したところで、その他の条件の検討です。
両サイドのFIX窓が干渉しない高さで ハンガーレールの取付高さを決定します。
するとDHも自動的に決定します。
開口枠は既設のフロアヒンジドアの枠を流用することとしました。
既設フロアヒンジは中身を抜き、ステンレスのプレートを設置することとしました。
ビルの内部で水密性能は考慮の必要がないので、ノンレール+フレ止めとしました。
ご要望の条件を満たすことが出来、お見積りをご提出し、ご了承をいただきました。
3.施工図の作成
方針が決定したところで、施工図を作成し、メーカーに製作依頼をかけました。既存メーカーでは、左右連動の開閉装置の設定がないので、旧知のフロント加工屋さんに製作を依頼しました。ランマ部のFIXガラスは、アルミパネルに交換します。
190108枇杷島ハンガー14.工事日の設定
このタイプのオーダー扉は10日から2週間の製作期間が必要のため、元請様・施主様と打合せの上、余裕を持って日程を設定しました。
また施主様は大企業であり、社員の方も多いので、支障のないよう、休日に工事を予定しました。
5.工事の施工
いよいよ工事です。
既設材の撤去からフィルム張りまで、予定通り一日で完了です。
6.まとめ
施主様の希望通り、障碍者の方も使いやすい扉に改修することが出来ました。